記事: 『男も肌を整える時代』の最前線へ。男性向けメイクのスペシャリストが語る、その必要性と可能性

『男も肌を整える時代』の最前線へ。男性向けメイクのスペシャリストが語る、その必要性と可能性
近年、男性の美容意識が高まり、スキンケアやメイクはもはや女性だけのものという固定観念は過去のものとなりつつあります。
しかし、その一方で、「美容は自分には関係ない」と考える男性もまだまだ多く、その意識のギャップは大きいのが現状です。
今回は企業の男性社員向けに身だしなみ講座を日々開催し、男性向けメイクの最前線で活躍されているスペシャリストSHUN氏をゲストに招き、男性がメイクを始める際に感じるハードルや、メイクの必要性、そしてその可能性についてお話を伺いました。
「メイク」という言葉が持つ先入観を打ち破り、男性の身だしなみを新たな視点から捉え直すことで見えてくる、ビジネスシーンやプライベートにおける「スマートな印象」の重要性とは。
そして、SHUN氏が提唱する「身だしなみメイク」の具体的な方法や、その効果について、深掘りしていきます。
———インタビュー対象者:SHUN氏
(株)メイクアンリミテッド 代表取締役。企業の男性社員向け身だしなみ講座を多数開催し、男性向けメイクのスペシャリストとして活躍中。また研修事業に加えて、行政や学校向けの就活講座、予約が取れない人気メイク教室を展開する他、美容雑誌の制作協力、大手家電メーカーの美容機器や大手国産化粧品新商品の企画・開発、人材開発の監修等、幅広く活躍中。
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男性の美容意識の二極化
———本日はよろしくお願いします。まず、企業の男性社員様向けの身だしなみ講座を日々されていると思うのですが、実際に受講されている男性はどのような層の方が多いのでしょうか?
SHUN: 受講者の男性に聞くと、普段からスキンケアを全く行っていないと回答する方がほとんどです。
美容に対する関心がないというか、そもそも「自分がやるものではない」と考えている方が多く、美容を自分ごととして捉えていないんですよね。
一方で、女性がメイクするように「身だしなみ」として気をつけなければならないという意識を持つ男性も増えています。
それでも、服装などに気を配る方は多いのですが、肌のケアに関しては、自分は既にできていると思い込んでいる方が意外と多いのが現状です。そうした誤解を研修や講座の中で解消するようにしています。
多くの方は「清潔感」といえば服装や香りに気を配りますが、実はコミュニケーションで最も重要なのは「顔から上の部分の清潔感」です。
このような基本的なことに気づいていない層が私たちの主なターゲットになるわけです。
———男性美容が普及しつつあるイメージでしたが、既に身だしなみが十分整っていると自認し、スキンケアやメイクは自分とは無縁と捉える男性はまだ多いというのが現状なのですね。
SHUN: そうですね。非常に化粧品に詳しい方と、全く関心がない方の二極化が進んでいるのが現状です。
そのような関心がない方にとっては、「メイク」という言葉は女性がする「お化粧」というイメージと強く結びついてしまうんです。
そのため、セミナーを開催すると、参加者が少し面白がってしまうことがあります。
これは、まだ男性向け美容市場が拡大しきれていないことの表れなのかなと思います。
———そういった男性にメイクを教える際には、どのようなコミュニケーションを取られていますか?
SHUN:まずは「メイク」という言葉自体を見直す必要があると思っています。どちらかというと、ガジェットの延長線にある身だしなみのアイテムの一つとして捉えるべきでしょう。
人と会う時に服装には気を配りますよね。
では、顔のケアはどうでしょうか?
若い世代は比較的受け入れやすい傾向にあるのですが、この意識不足は特に年齢層が高くなるにつれて顕著だと感じます。
実際に講座の冒頭でも、「男性のメイクは女性がやるお化粧とは別物ですよ」とお伝えして、その誤解を解いていくようにしています。
男性向けメイクは全く考え方が違うんです。
———具体的には、どのような点が違うのでしょうか?
SHUN:昔と比べて、今のメンズメイクの定義自体が変わってきています。今はスキンケアの延長線上にあるものとして捉えることが多いですね。
つまり、「肌をより良く見せるために必要なツール」として言い換えているんです。
それによって好印象が得られ、肌悩みがカバーできたり目立たなくなったりします。
私が特に気をつけているポイントは「メイクバレしていない自然な仕上がり」と「スキンケア効果」です。
この2点を軸にした上でのメイクの仕方を説明し、「では具体的にどうやるの?」という形で実践に落とし込んでいくという流れになっています。
———やはり受講者の方々からの反応も変わりますか?
SHUN: そうですね。実際、講座を行った後、「男性も美容をやったほうがいいんだ」という意識が根付いたという感想をよくいただきます。
「スキンケアも大事なんだな」
「肌を整えることも自分のこととして考えるべきなんだ」
そう気付かれる方が多いです。
実際にBBクリームをその場で購入された方もいらっしゃいます。
「美容は女性だけがやるもの」ではないと分かったという声や、実際に色を塗る体験を通して「女性は大変なんだな」という理解が深まったという感想もあります。
「不安だったけど、塗ってみたら思ったよりいいね」という反応もよく聞きますね。
メイクを失敗してしまう男性が陥りやすいポイント

———初めてメイクをする男性が陥りやすい失敗や注意点があれば、ぜひ教えてください。
SHUN: 最も大きいのは、使う量ですかね。
SNSやYouTubeなどで情報収集される男性が多いのですが、メイク動画を発信しているYouTuberやインフルエンサーのやり方は、あくまで撮影用のメイクであることが多いです。
見た目の仕上がりが画像上で伝わるように工夫されているので、その方法をそのまま真似してしまうと、必ず厚塗りになってしまいます。そこは陥りやすい罠だと思うので、講習の際にしっかりとお伝えしています。
実際に 「BBクリームやファンデーションを買ってみたけどうまくいかなかった」という方にインタビューすると、「厚塗りになってしまった」という意見がとても多いんです。
深掘りしてみると「そもそも出している量が多すぎませんか?」という状況がほとんど。
本当は「これだけで大丈夫なの?」と思うくらいの少量が適切なのに、多くの方は小豆大3個分くらいを一度に出して顔に塗ってしまうんです。それでは失敗するのも当然ですよね。
そういう基本的なステップが大切なんです。
ですから、①塗り方、②出す量、③色の選び方。
この3つをきちんと伝えた上で実践してもらうと、ちゃんと実行できるようになります。
男性メイクに求められるのは“スマートさ”

———塗り方、量、色選びが重要なのですね。では男性がメイクを始める際のファーストステップとして、BBクリームをどのように使えば良いのでしょうか?
SHUN: BBクリームを使うなら、まずは「スマートゾーン」という目の下と小鼻脇の部分だけに塗ってみるのがいいと思います。
(※スマートゾーン:目の下、小鼻横、頬骨あたりの逆三角形ゾーンのこと。美肌ゾーンとも呼ばれる箇所。)
女性のメイクにおいても、ここだけ塗っても全体が綺麗に見えるという方程式があると言われており、顔の印象を大きく左右する箇所です。
逆に言えば、最初は顔全体でなくても、「スマートゾーン」だけで十分だと思っています。そうすればBBクリームを使う心理的ハードルも下がると思うんです。
もちろん慣れてきたら範囲を広げてもいいですが、最初から全顔に塗ると「メイクしました」という印象になってしまうので、この部分だけでOKです。
なぜかというと、この部分に肌トラブルが集中しているからです。
目のクマやシミなど、エイジングサインがここに集中して現れるので、ここさえカバーすれば、ほとんどのエイジングサインは目立たなくなります。
今の美肌トレンドとしても、自分の素肌を美しく見せることが男女共通のテーマです。
周りからの視線が集まりやすいこの「スマートゾーン」さえ隠せば肌が綺麗に見えるので、まずはここから始めましょう!という感じで講座でも塗り方を練習してもらっています。
———確かに「顔全体に塗らなきゃ」と思い込んでいましたが、それなら簡単ですね!
SHUN:そうなんです。特に男性向けメイクで絶対に外せないポイントは3つ。「①簡単であること」「②時間がかからないこと」、そして「③メイクバレしないこと」。「スマートゾーン」に塗るというのは、これらのポイントにつながります。
男性向けの研修では、よく「スマートな印象に」という言葉を使うんです。
「スマート」という言葉は様々な場面で応用できると思っています。ファッションだけでなく、私たち自身がスマートに見える、髪型もスマートに整っている。
このように表現すると、顔もスマートに見えてくるものです。
このような言い方をすることで、どんな職種の方でも「ちょっと試してみようかな」と思っていただけるのではないでしょうか。
———スマートっていう言い方素敵ですね。
SHUN:メイクだとどうしても綺麗になる、美しくなるってことを連想してしまう男性が多いんです。美しくなりたくはないよ、みたいな。
どうしても女性のイメージが根強いので、そこを切り分けた方が良いと思っています。
Yシャツにアイロンをかけるように、髪型を整えるように、肌のノイズを目立たなくさせて、スマートな印象を作っていくことが大事なんだよと。
そうやって説明してあげるというのが、僕らプロの仕事なのかと思いますね。
はじめての男性メイクにもぴったりなmyberyl

———myberylが掲げるブランドコンセプトとも、まさにぴったりですね。
myberylもブランドとして「大人男性のはじめての身だしなみメイク」を推していますが、プロの視点でmyberylのBBクリーム・CCクリーム、それぞれどんな方にオススメできますか?
SHUN: まず前提として、一般的にはBBクリームは油分が多く、CCクリームは水分が多くなっています。
乾燥ニキビがある方にはCCクリームがおすすめです。グリーンカラーで赤みの補正をしながら、保湿や肌を整える成分*も含まれているので、乾燥による赤みが強い方はCCクリームを使ってください。
*保湿成分(ユーカリ葉エキス、グリチルリチン酸2K、ハス葉エキス、オプンチアフィクスインジカ果実エキス、セラミドAP、アロエベラ葉エキス)
CCクリームだけでも良いですが、頬の乾燥ニキビがある方は、CCクリームを使った後に自分の肌色に合ったBBクリームを重ねて使うのがより効果的ですね。
逆に、乾燥ニキビがない方は基本的にBBクリームだけで十分です。
myberylのBBクリームは3色展開なので、その中から自分の肌の「スマートゾーン」に合う色のものを選びましょう。
もしBBクリームで青ひげをしっかりと隠したい方は、例えば「スマートゾーン」は02(ベージュ)が合う場合、より濃い色の03(オークル)を青ひげのある箇所に使って塗り分けるという方法もあるかと思います。
———いわゆるコンシーラーのような使い方ですね。
SHUN:そうです。コンシーラーだと少し重たすぎるので、私はBBクリームのような軽い質感のものを青ひげの部分につけることをオススメします。
実はこの「青ひげを隠すにはどうしたらいいですか?」という質問は、普段の講座の中でも非常に多いんですよ。
もちろんヒゲをおしゃれとして楽しまれている方もいますが、身だしなみに気を配るビジネスマンは、スーツを着用する機会が多く、ヒゲを剃った方が好印象を与えるという社会通念があります。そのため、多くの方がヒゲを気にされているのだなと思います。
これは今まで累計で1000名以上の男性を実際に肌に触れてきた経験から感じる部分です。
———ヒゲ脱毛をする男性も増えていますし、青ひげを気にする男性は多いですよね。
一方で、肌悩みをはっきりと自覚していない男性も多いですよね。
SHUN: そうですね、まさにその通りです。
「顔が疲れている」と言われても本人には自覚がない場合や、
「肌に赤みがある」「テカっている」と指摘されても漠然としてピンときていない、などがありますね。
しかし、「乾燥して、肌がカサカサするから赤くなっている」「乾燥しているからテカリが目立ちやすい」というように具体的に説明すれば伝わりやすいですね。
受講者の皆さんのスキンケア事情を聞くと、洗顔してひげを剃って終了、という方が多いんです。
その結果、必然的に肌の水分が不足し、肌が徐々に赤くなったり、赤ら顔のようになったりしまいます。
ここはきちんと教育をしていく必要があると思っています。
ひげを剃った後はしっかり化粧水をつけて潤いを与え、乳液で肌にフタをして、さらに青ひげを隠すためにBBクリームを使うことをオススメします。
プロも認めるmyberylの使い心地

———ありがとうございます。SHUNさんが思う、myberylのBBクリームの良さについてお聞かせいただけますか。
SHUN: そうですね。まずBBクリームは色展開が充実している点が強みです。
自分の肌に合った色を見つけられるのが一番の魅力だと思います。
また、テクスチャーが軽いので、ユーザー目線で言うと、ベタつきが少ないんです。
男性は「化粧品はベタベタする」というイメージを持っていて、特に元々テカリ肌と認識しているの方はベタつくことを嫌がります。
そもそもスキンケアをしない理由もそこにあったりするのですが、myberylのBBクリームはさらさらしていて、ベタつかず、伸びがいいのが特徴です。
色ムラが少なく仕上がるのも魅力ですね。不器用な人でも指で軽く広げるだけで肌に馴染みます。
「スマートゾーン」だけに塗っても、塗った部分と塗っていない部分の境目が目立ちません。
「何か塗っているな」という感じにならないのは、myberylのBBクリームのテクスチャーの良さがあるからだと思います。
———ありがとうございます。myberylのCCクリームの良さはいかがでしょうか?

SHUN:CCクリームについては、みずみずしいテクスチャーが特徴です。
サラッとした乳液に近い使用感で、しっかり保湿されている感じがあります。
補正力も優れていて、赤みを消そうとする緑みが強すぎず、程よく肌になじみます。
女性用のCCクリームにも引けを取らない機能性があり、これが他のメーカーにはない強みだと思います。
トライアルキットは小さな成功体験が得られるツール

———ありがとうございます。色展開や肌なじみの良さを挙げていただきましたが、実はmyberylではBBクリーム、CCクリームが全色試せるトライアルキットも用意しております。
SHUN: 実際に講座でも使わせていただきましたが、トライアルキットがあることで、色展開の豊富さ、「こんなにあるんだ」という充実度の違いを受講者の皆さんに実感いただきやすくなったと思っています。
また、さっき話したような使い分け、例えばスマートゾーンは02(ベージュ)だけど青ひげは03(オークル)というように使い分けた方がいいということも理解しやすくなります。
おそらく1色だけだと他との違いが分からないでしょうし、実際にトライアルキットを展開しているメンズメイクブランドも私はあまり存じ上げません。
やはりBBクリームで失敗する最初のステップは色選びなんですよね。
自分の肌に合っていないものを使ってしまうことが原因です。
それに加えて、失敗体験からもうやらなくなってしまうことがあります。
ですが、トライアルキットがあれば自分に合う色が分かり、少量でもきれいにカバーができることを実感できる。
そういった小さな成功体験を作り出せるツールではないかと思っています。
皆さん最初は「えー」という反応なのですが、実際にやってみることで自分でも変化を感じつつ、
「全然違う」「やった方がいい」という周りからの良い反応を聞いて、気持ちが変わっていく方が多いです。
実際に講座でも1回開催あたり、30名ほどの男性が参加していらっしゃる場合、
「あなたは02(ベージュ)ですね」
「あなたは03(オークル)ですね」となったら、
お互いに交換し合って自分の色を集めて、何回か練習した後に製品を購入してもらうといった提案をしています。
———「塗っている感じが全然しない」というのも重要なポイントですよね。
SHUN: そうですね。カラーはもちろんですが、この「素肌感」をちゃんと軸にしているところが良いと思っています。
それが無いと、顔に対して浮いてしまい、メイクバレにつながってしまうので。
メイクしている感じがなく、まるで素肌のように顔色が明るくスマートに見えるというのが理想的な状態かなと思います。
男性メイクのプロが語るメイクの魅力
———ありがとうございます。最後にSHUNさんから大人男性に向けて、メイクの良さやメイク講師としてお伝えしたいことはございますか。
SHUN: そうですね。まずメイクは自分のブランディング、自分自身をより良く見せるツールなんですよという点です。
皆さんがいい服を買うのと同じで、「顔から上にお金かけていますか?」と聞いたとき、おそらく多くの方はあまりお金をかけていないと思うんです。
洋服を買うのと同じ感覚で楽しんでいいもの、そこがメイクの良さだと思います。
メイク講師として伝えたいのは、「やらないともったいないですよ」ということです。
第一印象は変わります。
統計上では約7秒で印象が決まるといわれていますが、メイクをするかしないかで、見た目の印象は大きく変わります。やった方が絶対良いでしょうという話です。
SNSでもよく目にしますが、特に女性から見たときに「この人は清潔感がある」とか、商談やビジネスシーンでも「この人は清潔感があるから信頼できる」といったように、見た目は相手にさまざまな印象を与えます。
皆さんの身だしなみは、ビジネスを加速するためのツールでもあり、プライベートを充実させるためのツールでもあります。
なぜそれを後回しにするのか、私にとっては不思議です。
メイク講師としては「やった方がいいですよ」と伝えたいですね。
特に、まだその重要性に気づいていない方に伝えたいです。自信がつきますからね。
———メイクをするだけで肌だけでなく、気持ちも整いますよね。
SHUN:メイクをした後の姿は皆さん背筋がピンと伸びるんです。
それは自己肯定感が高まり、自信を持って商談に臨めたり、自信を持って告白できたりする、背中を押すツールだと思うので、そういった人生の一部になっていければいいなと思います。
皆さんが大切な場面でネクタイを選ぶのと同じイメージで、特別な時のためにも、できれば日常的に使っていただくというのが最終ゴールではあるのですが、まずはきっかけ作りとして、印象をアップする意味でも、ぜひ使っていただきたいと考えています。
そういった意味でも、myberylのブランドフィロソフィーは素晴らしいと思いますし、そういった背景も多くの男性に伝わるといいなと思っています。
私はメイク講師という美容の専門家としての視点しか提供できませんが、男性に自信を持ってほしいというmyberylの想いが伝われば、
ただの一般的なBBクリームや美白に見せるメイクアイテムではなく、素肌をより良く見せるためのツールの一つだということが明確になると思います。
そういった思いがちゃんとユーザーに伝わるといいなと思います。



